村上ばかりの棚
今週のお題「本棚の中身」
本棚はないのだが、棚はある。棚には文庫本が確かに並んでいる。
随分昔に買って読んだものばかりだ。
そもそも読書が大嫌いだった。嫌いというか苦手だった。
読まなきゃいけない本は仕方なく読むが、好んで書店に行くようなタイプではなかった。
雑誌すらも読まなかった。漫画だけだ。
ただ、そんな私の生活にも嫌っていうほど村上春樹の名前が入り込んでくる時期があった。
1Q84が発売された頃だったと思う。あの頃はほんとやたら耳にすることが多かった。
あまりにあちこちで村上春樹の名前を聞くので仕方なく文庫本のノルウェイの森を購入して読んだ。
面白かったという感想は持たなかったのだが、「小説ってこういうふうに終わるものなのか」と思った。
で、とりあえず村上春樹を一通り読んだ。短編集も含めて文庫になっているものは多分ほとんど読んだと思う。羊をめぐる冒険は一番多く読み返したかもしれない。
で、一通り読み終えたので書店で村上春樹の隣に並んでいる村上龍を手に取った。
限りなく透明に近いブルーからスタートし、これも片っ端から読んだ。半島を出よという作品はなかなか衝撃で、当時の私にとっては長編だったが繰り返し読んだ。
そんなこんなで私の棚には今も村上春樹と村上龍の文庫本が積み上がっている。またいつの日か読み返すことがあるのだろうか?
もうすぐ中学生になる息子にすすめる日がくるのだろうか?
余談だが
現在も文庫本で小説を読む習慣は細々と続いている。ブックオフでドサっと買ってきて夜な夜なビールを飲みながら楽しんでいる。私のささやかな楽しみだ。
昔はもっと視力があったのに、本を読まなかったことを結構後悔している。
あの無限とも思える時間を持て余した時代に本を読まなかった人生を後悔している。
人生は一度きりしかないのだ。